介護職を長年勤めてると、必ず直面するのが利用者の死です。
利用者が息を引きとるその場にいなかったとしても、親身になって毎日介護していた相手が、突然亡くなられたとなると、その悲しさや喪失感は計り知れません。

人の長い人生の最期に関わることができるのも介護職の醍醐味で素晴らしい事なんだと前向きに捉えている人もいますが、たいていの場合このように思えないものです。
利用者の家族ではなくても、介護士にも悲しさや無力感を感じる人が多いです。
その感情を抱えながら、他の利用者には普段通りに対応しないといけないのが介護職の辛い所で、そのまま働き続ければ人によって、うつ病や燃え尽き症候群になってしまう場合もあるようです。
人の感情も人それぞれ。
「死」に対する考え方や感じ方も様々で、すぐ切り替えれる人もいたり、なかなか立ち直れない人もいます。
どうしたら悲しさや喪失感から立ち直る事ができるのでしょうか?
感情を素直に表に出してみる
悲しい気持ちを表に出すことで、もやもやした気持ちが残らないようにします。
心理カウンセラーの治療法にも使われていて、自分の感情や亡くなった人に対する気持ちを素直に話すことで、一定の効果があるようです。
頑張り屋な人や我慢強い人ほど、自分の心の中に抱えきれない物を抱えてしまい、燃え尽き症候群やうつ病になる場合があります。
出来れば同じ介護士で、その気持ちに共感できる人に相談できれば、より早く気持ちを切り替えることができでしょう。
もしそれが難しいのであれば、自分の気持ちを素直に話せる家族や友人でも大丈夫です。
辛い気持ちが続いたら誰かに話してみましょう。
時間の解決が必要
家族が亡くなった時、悲しみや喪失感から回復するのに時間がかかるように、利用者を親身になって介護してきた介護士にとっても時間が必要です。
ショック状態が続く時期や、「もっと何かしてあげれたんじゃないか?」と後悔や無力感など、何も手につかない時期もありますが、時間が経つごとに徐々に回復していくのが普通です。
もし2ヶ月経っても、悲しさから感情をコントロールできなかったり、喪失感で仕事が手につかない場合、ただ時間が解決するのを待ってるわけにはいきません。
心の健康を取り戻し、1日でも早くまたのびのび働けるように、カウンセリングや心療内科を受診してみましょう。